色々あっても(ありがたいことに)ライフ・ゴーズ・オン

3月11日の東日本大震災以来の日記になりました。いかがお過ごしでしょうか。少し前の話になってしまいましたが、震災後の我が家での日々のことを簡単に記録しておこうと思います。
今回の地震、私が住んでいる場所は北陸地方なので直接的な被害はなかったものの、実家はけっこう本格的に被災しました。詳しいことははしょりますが家族は皆無事です。しかし、親がやっとこさローンを払い終えた家の修理や、今後の事などについて考えると梅干を噛み潰したようなしょっぱい顔になってしまいますね…当の親は「うちはまだありがたいほう」と笑っていますが…。震災の直後はただただ呆然としてしまって、自粛するという大げさな感じでもなく、物事をのんきに考えられなくなったり楽しい気分になったりする事が少し減っていたような気がします。でもそんな私のしみったれた気持ちに渇を入れたのはやはり子供たちで、彼らのいつものいたずらや突拍子もない言動に怒ったり笑ったりしているうちに、なんとなく日常が戻ってきました。

でもそんなにナイーブな方ではないだろうと思っていたうちの子供たちも、少なからずショックを受けていた様子です。

これは娘(4)が塗った車の絵です。「車が波に流されちゃったの…」と言っていました。空も真っ黒に塗り潰されています。ニュースで繰り返し流される津波のショッキングな映像の印象が強かったようです。息子(6)の方は夜寝る前に突然「おばあちゃんの家とか地震で大変な場所の人たちが心配…」と嗚咽を漏らしながら泣き出したこともありました。とりあえず「圧倒的な災害になすすべもない無力感」みたいなものは与えたくないと思って、本当に小さなことではありますが、こまめに実家の家族と連絡を取ったり、被災地への募金や救援物資を集めて持っていく等の活動はなるべく子供達と一緒にするようにしました。

あと、普段全然使っていなかった日本地図パズルなどを持ち出し「ここが私達が住んでいる県…で、ここがおばあちゃんの家。ここら辺もここも全部、今地震で大変な所。少し離れてるね。でも同じ国で起こった事なの」とか粛々と語りかけてみたりもしましたが、パズル中、私が三重県のピースを四国にねじ込もうとしたり、九州に県が9つ無い事にうろたえたりしていたので*1どうも全体的にグダグダに…

娘「…ほっかいどうがとれない…」私「…!?それ、指にはめちゃダメー!!」けっこうガッチリはまっていたので、石鹸をつけてはずしました。



息子が参加しているボーイスカウトでも震災の募金活動を行いました。募金箱を折り紙でデコる際、息子に「ママ、ツル折ってー」と頼まれたので肌色ことペールオレンジの折り紙で足つきの鶴を折ったところ、子供たちや他の親御さんに「コワイ!!」「キモチワルイ!!!」と盛大なリアクションを頂きました。日頃の折り紙練習の成果を披露出来て嬉しかったです。あとこのツル、インターネットに親しんでいる方の中では結構認知度は高めだと思うのですが、皆さん意外とご存知なかったようで、何かのリトマス試験紙のような役割も果たしたような気がします。


準備段階でのちょっとしたいたずら心はご容赦ください。結局普通の鶴をくっつけ、息子も他の子供たちもとても頑張りました。



地震の一週間後にあった息子の幼稚園の卒園式はとても感動的で、さすがと色々な感情もこみ上げて涙腺が緩みました。くしくも園児達は、地震直後に頻繁にCMで流れていた金子みすずさんの「こだまでしょうか」を暗誦しました。詩の暗誦は震災前から卒園式のプログラムとして決まっていたようで、息子がテレビを見ながら「これ知ってる!幼稚園で練習してる!」と教えてくれました。しかし、式終了後の教室で、息子がお友達数人と靴下を脱ぎ散らかし「足くさいざー!」「あはははは!!」「俺の方がくさいんやざ!!」「あひゃひゃひゃひゃ!!」とかやっていて、その光景はつい先ほどまで流していた涙を引っ込ませるのには充分な威力でした。足くさいっていうと足くさいっていう…こだまでしょうか…


3年間お世話になりました。



そして息子は小学校へ。今回の震災で東北・福島の方から避難してきたご家族も新入生の中にいらっしゃいました。みんな揃って元気で大きくなってくれれば何よりです。いいお友達が出来ることを願っています。



おまけ。実家が住める状況ではなくなってしまったので、今回の春休みは帰省するかわりに家族が北陸に遊びに来ました。



一緒に市の自然史博物館で催されていたシーラカンス展を見に行きました。


こういうの大好きです。シーラカンスのぬいぐるみ。売ってるかなーと思って調べてみたら博品館にありました。古代生物ぬいぐるみシリーズ。



階段の脇に「シーラカンス発見ものがたり」というパネルの展示が。

「魚を見に来ないかァ」

「OH!My God!シーラカンスが生きていた!!」

中略。ずずずいっと階段を上がって…

ご対面。「OH,まさしくシーラカンスだ!大きなウロコ、抱きしめたいよ!!」…14年越しらしいですから、この博士さぞや嬉しかったでしょうねぇ。抱きしめて、なんなら頬ずりもしたい気分だったでしょうねぇ。OH,ほっぺがザリザリするよ!




透明の床下に色々な化石が並んでいて、その中からシーラカンスの化石探しができるという趣向。

どうやらこれです。

化石探しのご褒美にもらったシーラカンスマグネット。娘(4)によってシールを貼られ、問答無用な感じでおめかしをさせられています。




あとは児童館で遊んだり



私の姉の誕生日を祝ったり。


お茶をしたり。

これは家族で行った喫茶店にあった薔薇の写真です。紫の薔薇ってすごく珍しいものかと思っていたのに普通にお手洗いの洗面台に活けられていたのでびっくりしました。これじゃブルーレットと同列じゃないか。あと、紫色といえば、先日ショッピングモールを歩いていたらパープルの花柄スカートにパープルの靴を履いて、紫色の唇をした女性とすれ違いました。その時は統一されたカラーコーディネートでオシャレだなぁとか思いましたが、あるいは寒かっただけかもしれませんね。
どうでもいい話で締めてしまいすみません。本当はこの日記ももっと早く書きたかったのですが、息子の入学に加え、諸事情で娘が幼稚園を転園→新しい幼稚園の年中組へ編入することにもなったので、生活全体の変化により妙にせわしない感じで、この2か月はあっという間に過ぎてしまいました。あと、ゴールデンウィーク中まるまる息子が入院していましてね…喘息で…この事もまた改めて日記に記しておくつもりです。それではまた。

*1:廃藩置県とかもはやセピア色の思い出